2001年11月作 「すれちがい」


湧き上がるのを抑えることができなくて
今にもこぼれ落ちそうなほど溜まった雫

頬を伝う一筋の流れに胸が締めつけられ
貴女を傷つけた事実だけが静かに沁みる

「泣かないで」

そんな事を私には言う資格が無い

「笑ってよ」

そんな事を私には言う資格が無い

私だってこんな結果になるなんて
夢にも思ってはいなかった

でも今となっては
何を言っても言い訳

結局私は
貴女から奪ってしまった

夢も
光も
希望も

私には貴女に何も言う資格が無い

でも湧き上がる涙を
このハンカチで
溜まって溢れる前に拭って欲しい

そして流した涙と一緒に
染み込んだ想いを捨てて欲しい

それはきっと
私の身勝手なお願いだとわかっていても


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