1986年作 「存在」


君は言う
憎しみを消したいと

でもそれを消すことなんてできやしない

なぜなら
それを消すことは
愛を消すことだから

君に愛が存在する限り
君に憎しみも存在し続ける

君は言う
ならば愛を捨てると

でもそれを捨てることなんてできやしない

なぜなら
それを捨てることは
憎しみを捨てることだから

君に憎しみが存在する限り
君に愛も存在し続ける

君は言う
それならどうしろと

でもその答えを見つけることなんてできやしない

なぜなら
それらを無くすことは
自分を無くすことだから

この世に君が存在する限り
君にそれらも存在し続ける

僕は問う
君は存在したくないのか?

でもその返事は返さなくていい

なぜなら
君はまだ
君が見えていないから

世界が存在する限り
君には存在し続ける意味がある


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